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■SWR(進行波と反射波の検出)
  ★概要
    SWRとは”Standing Wave Ratios”の略語で、日本語にすると“定在波比”のことです。
    無線機から空中線(アンテナ)に向かう電波を“進行波”、空中線から逆流してくる電波を“反射波”といい、この
    割合がSWRになります。

    SWRは、終端での反射波がなければ“” 、つまり100%の放出になります。
    しかし、無線機から放出された電波は、ケーブルやコネクタなどのロス、アンテナ自体の電波との不一致などに
    より、アンテナから100%放出されることはありません。

    SWRが高いときの弊害は、反射した電波が無線機に逆流してくるので、終段管を破壊する可能性があります。
    また、効率が悪い為、電波が相手に届き辛くなることが考えられます。

    そこで今回は、この進行波と反射波を検出するためのユニットを製作し、実際に確認してみます。

  ★動作原理
    同軸ケーブルの中にSWRの引き出し線を芯線に沿わせて埋め込み(芯線と網線の間)、この線から方向性を
    持った電力を引き出します。同軸ケーブルの長さは、10cm前後にしてください。埋め込んだ引き出し線は、同
    軸ケーブルの芯線との間に容量結合と誘導結合があり、両者が打ち消しう形で、方向性を持った誘導電力が発
    生します。このような結合を「CM結合」といいます。
    図のように、送信機とアンテナの向きを逆にすることにより、進行波と反射波を検出することが出来ます。
     

  ★製作
    @M型コネクタ(ストレートレセプタクル)2個を、コンタクトピンを向き合わせる方向で、スペーサで固定します。
    A同軸ケーブル(5D−2V)の塩ビ外皮を、カッターで縦に切り裂き、網線の状態にします。
    B網線の中に細い被覆電線通し、抵抗(110Ω)、ダイオード(1SS108等)、コンデンサ(1000pF)を半田付
      けします。
    C最後に、銅板またはアルミ板(アルミ箔でも良い)などで、全体をシールドします。

    シールド前の状態です。
     
     
     
    シールド後の状態です。
     

  ★動作確認
    アンテナの代わりに、ダミーロードを接続し、電波を送信します。
     
    144MHzの10Wの電波を出してみました。(左側=進行波、右側=反射波)
    この電圧値からSWR値を求めてみます。
      SWR値=(進行波電圧値+反射波電圧値)÷(進行波電圧値ー反射波電圧値)
      1.09≒(1118mV+49mV)÷(1118mV−49mV)
     
    メータで表現するとこんな感じになります。
     
    如何ですか?
    本ユニットを応用すると、SWR計は勿論のこと、SWRが何らかの原因で劣化したときに、自動的に警報を出す
    ことが可能な「SWRアラーム」が出来そうですね!{^_^}!


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