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■2相(Two-Phase)PWM「PIC16F785」
  ★概要
    PIC内臓のCCP(Capture/Compare/PWM)モジュールをPWMモードで使用すると、周期とデューティ比を設定
    するだけで1相(Single Phase)PWMを容易に実現することが出来ます。そしてこれを応用して、高効率な電源
    (Switching Power Supply)を作ることが出来ます。

    <PWMの周期(PERIOD)とデューティ比(DUTY CYCLE)>
     

    <スイッチング電源の実現(例)>
     

    <1相PWM波形と出力波形>
     

    しかし、1相方式では、出力電圧のリップル成分が大きくなり、このリップル成分を取り除くためには、より多くの
    部品が必要となってしまいます。

    そこで1相ではなく、2相、3相と増やすことにより、出力電圧のリップル周波数を数倍に上げ、より少ない外付け
    部品で、出力電圧リップルの振幅を減少させることが可能となります。

    <2相PWM波形と出力波形>
     

    <3相PWM波形と出力波形>
     

    PIC16F785は、アプリケーションノート(AN1086)からも見られるように、スイッチング電源開発をターゲットに
    開発されたPICのようで、他のPICには無い、2相PWMやオペアンプが、搭載されています。

    今回は、この2相PWMに焦点を当てて、基本的な動作のみを確認してみました。

    <2V〜4.5V/10Aスイッチング電源(例)>
     
     

  ★動作原理
    本来は、次の図のように、PICの外部にFET、コイル、コンデンサ、抵抗などの部品を付ける必要があるのです
    が、今回は、2相PWM(PHAとPHB)の動作(周期、デューティ比)だけとし、2相の出力波形や性能を測定して
    みました。

    <PIC16F785を使用した3相PWMスイッチング電源(例)>
     

    <周期の計算式>
     周期は次の計算式で求めることが出来ます。
     例えば、100kHzの周期を求めてみます。
       ・クロック(Fosc)は、8MHzとする。
       ・プリスケーラ(PWMP)は、÷8にする。
       ・周期ビット(PER)は、9にする。
      ※100kHz=8MHz÷(8×(9+1))
     
     最高周波数(クロック8MHz時)
      ※4MHz=8MHz÷(1×(1+1))
     最低周波数(クロック8MHz時)
      ※31.25kHz=8MHz÷(8×(31+1))

  ★回路図
     

  ★プログラム
    ソースリストはここです。
    HEXリストはここです。

  ★動作確認
    ブレッドボードを使って電源を供給し、オシロスコープで波形を観測してみました。
     
    【測定(A)】発振周波数:100kHz、黄色:PHA、水色:PHB、振幅:0V〜+5V
     
    【測定(B)】発振周波数:100kHz、振幅:−5V〜+5V
     
    デューティ比を変えてみました。
     


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