電子工作etc


■A/D変換モジュールの精度向上
  ★概要
    PICのA/D変換モジュールの精度は、通常の使い方では、測定できる最小の電圧(測定分解能)が約5mVに
    なります。(Vdd=5V、Vss=0V時)
      5mV ≒ 5V ÷ 1024
    これでも十分なのですが、もう少し精度を高めることは出来ないものでしょうか?

  ★動作原理
    PICのA/D変換モジュールの構造は、下図のようになっており、変換電圧の範囲は、【Vref−】〜【Vref+】
    として設定されます。そしてこの間を1024の段階で測定します。

     

      <基準電圧の設定範囲>
        Vref+ → (Vdd−2.5V) 〜 (Vdd+0.3V)
        Vref− → (Vss−0.3V) 〜 (Vref+−2.0V)

    通常の設定では、Vref+は、Vdd(+5V)に接続され、Vref−は、Vss(0V)に接続されています。
    従って、測定分解能は、
      5mV ≒ 5V ÷ 1024
    となります。

    しかし、測定対象の電圧が、例えば、1V〜3Vの範囲に限定されるような場合には、この測定分解能を向上
    させることが出来ます。

    つまり、(Vref− = 1V)、(Vref+ = 3V)に設定することにより、
      2mV ≒ (3V − 1V) ÷ 1024
    となり、測定分解能が、60%向上したことになります。

     

  ★回路図
     

  ★プログラム
    ソースリストはここです。
    HEXリストはここです。

  ★動作確認
     
    Vref+、Vref−、アナログ入力用の、ボリュームです。
     
    上側:Vref−(約1V)
    下側:Vref+(約3V)
     
    左右の上側:Vref+(5V)、Vref−(0V)の時の±1LSBの変動値です。
    約5mV(2431.6V−2426.7)なのでほぼ計算通りです。
     
    左右の下側:Vref+(約3V)、Vref−(約1V)の時の±1LSBの変動値です。
    約2mV(2427.6V−2425.6)なのでほぼ計算通りです。
     
    如何ですか?
    少しの工夫ですが、測定対象によっては、かなり精度を向上させることが出来ますね!{^_^}!


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