電子工作etc


■理想ダイオード(IdealDiode/オペアンプ使用)
  ★概要
    オペアンプを利用した理想ダイオードの実験をしてみました。
    当初の目論見では、ゲルマニュームラジオのゲルマニュームダイオードの代わりに使えないものかと考えま
    した。つまりゲルマニュームダイオードの順方向電圧分(約0.2V)が改善されることによる感度向上を期待し
    ました。
    結果的には、手持ちのオペアンプでは、周波数帯域が伸びず期待はずれでしたが、低周波の範囲では十分に
    使えると思います。

  ★動作原理
    普通のダイオードは順方向電圧が0.6Vくらいに達しないと電流がながれません。そのため、ダイオードで整流
    すると0V付近でひずみを発生させてしまいます。
    理想ダイオードは、オペアンプのNFB(ネガティブフィードバック)内にダイオードを取り込むことで、ダイオード
    の非直線性を改善(直線性を持たせる)するものです。

  ★回路図
    電子回路シミュレータ「TINA」でシミュレーションした回路です。
    緑色の波形が一般的なシリコンダイオードの出力波形です。
    茶色の波形が理想ダイオードの出力波形ですです。
     
    実際の回路図です。手持ち部品の関係でオペアンプとダイオードがシミュレータの回路と異なります。
    図Aは、一般的なシリコンダイオードによる整流回路です。
    図Bは、オペアンプを利用した理想ダイオードによる整流回路です。
     

  ★動作確認
    いつものブレッドボード上で確認しました。
     
    一般的なシリコンダイオードによる整流波形です。順方向電圧分だけ元の信号よりも低いです。
     
    理想ダイオードによる整流波形です。<100Hz> ※半波が入力信号と一致しています。
     
    理想ダイオードによる整流波形です。<1KHz> ※半波が入力信号と一致しています。
     
    理想ダイオードによる整流波形です。<10KHz> ※若干0V付近で右上がりになりました。
     
    理想ダイオードによる整流波形です。<100KHz> ※これでは使えませんね。
     
    理想ダイオードによる整流波形です。<1MHz> ※これでは使えませんね。
     


電子工作etc