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 ■簡易窓ガラス用防犯アラーム(圧電素子)
  ★概要
    窓ガラスのわずかな振動を検知して大音量の警報音を発報する「窓ガラス用防犯アラーム」が各種市販されて
    います。

    センサーには、衝撃センサー(圧電素子)が主に使用されています。
    そこで手持ちの圧電素子を用いた「簡易窓ガラス用防犯アラーム」の実験をしてみました。

    <仕様>
      ・衝撃を検知するとブザーが鳴り、LEDが点灯します。
      ・衝撃の感度を調整可能とします。
      ・電源には単三電池2本の3Vで駆動可能とします。

  ★動作原理
   ◎衝撃の検知
     圧電素子(ピエゾ素子)は、圧電体に加えられた圧電効果を利用した受動素子のことです。
        :圧電体に力(衝撃)を加えると、電圧が発生(電気エネルギーが生じる)します。
        :圧電体に電圧を加えると、力が発生します。

    <圧電素子の概観>
     

    <圧電素子に衝撃を加えたときに発生する電圧波形>
     圧電素子を鉛筆などで叩くと、開放電圧では100Vp-pもの高電圧を発生します。
     

   ◎検知電圧によるブザー&LEDの駆動
     SCR(Silicon Controlled Rectifier: シリコン制御整流子)を使用します。
     手持ちのNEC社製のSCR(P2M)を使用しました。

       ※秋月電子で販売している「高感度小型サイリスタ MCR22−8」でも代用可能です。(8個200円)
       ※SCRは、サイリスタ (Thyristor)とも呼ばれています。

     SCRは、ゲート (G) からカソード (K) へゲート電流を流すことにより、アノード (A) とカソード (K) 間を導通させる
     ことが出来ます。一旦、導通するとゲート電流を切っても導通は解除されません。アノード電流を切ることにより
     導通を解除することができます。

     検知電圧をゲートに印加します。
     印加電圧が2.5V以上であれば、アノード とカソード 間が導通状態になります。
     導通状態になるとアノードに接続されたブザーが鳴り、LEDが点灯します。

    <SCRの回路記号>
     

    <P2Mの概観>
     

    <P2Mのピン配置>
     

    <MCR22-8の概観>
     

    <電子ブザー(1.5Vタイプ)>
     

  ★回路図
     

  ★実験風景
     
    左側:衝撃を与える前です。(ブザーOFF、LED消灯)
    右側:衝撃を与えた後です。(ブザーON、LED点灯)
     
    如何ですか?
    ケースに収めて、窓にしっかり固定すれば、案外、実用的な「窓ガラス用防犯アラーム」ができそうですね!


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